当店で販売されている「asics ハイドロCD メンズ スパイラルカット」は、アシックスとトムスポーツが約10ヶ月間に渡り調査・検討を重ね、
トムスポーツ特注という形で生産が実現した
当店限定 従来型スパイラルカット復刻モデル になります。2013年以前に宮崎工場で製造されていた本来のスパイラルカットと同じ寸法になるように調整されたアクアノート特注のパターンで製造されております。
他店より発注されたハイドロCDは、
従来のスパイラルカットではありませんので、十分にご注意ください。脇幅や股上などの実寸が全体的に大きくなっており、着心地や機能性が本来のスパイラルカットとは程遠いものとなっております。
以下、2枚のハイドロCDを重ねて比較し撮影した画像になります。
イエローが他店より発注された通常のハイドロCDで、オレンジがトムスポーツ特注スパイラルカットになります。
他店よりハイドロCDを発注した場合も、品番は当店と同じ AMA87T / AMA88T になりますが、当店の販売しているハイドロCDとは全く形状が異なります。スパイラルカットは
わずかな誤差でも機能に差が出るとても繊細なカットであり、また
実際に廃番に関わったのは当店トムスポーツと当時のメーカー担当者のみであり、また廃番に至るまでの経緯が非常に複雑なため、
他のショップもメーカーも状況を全く把握できておりません。
中には、「スパイラルカット、メーカー担当者に確認済み」と、完全に虚偽の記載をして販売しているサイトがございますので、十分にご注意ください。 ここまで来ると完全に一線を越えてしまっているので、普通に違法行為として処罰の対象となります。現在、メーカーおよび法的機関と連携し、対応をしてもらっている最中になります。
ハイドロCD メンズ スパイラルカットは、2013年に実質的に「スパイラルカット」と呼べる形状ではなくなったてしまったため、弊社のクレームを受け、ホームページからはスパイラルカットの文字が消え、品番が AMA85T/AMA86T から AMA87T/AMA88T に変更されました。
スパイラルカット廃番と別注復刻にかかわったメーカー担当者は、2014年にすでに異動になっております。本来、現行品とはカットが異なる当店の別注商品は「別品番」もしくは「従来のAMA85T/AMA86T」とすべきですが、当時のメーカー担当者が納期の遅れを回避するためと、とりあえずの別注生産の実現性を優先して、現行商品の品番と同一のものを採用するように手配して下さいました。誤解を生む可能性がございますので、今後は品番の変更を検討しております。
以下、「スパイラルカット廃番の経緯」について詳細を記しますので、長文ですがよろしければご一読下さい。
【注意事項】
※近頃、弊社特有の商品を模倣して製造し、販売する悪質な業者がご報告されております。その業者は、弊社の商品を模倣するほか、弊社独自の商品名・商品説明・文言をコピーし、メーカー担当者とのやり取りをあえて公開するプロモーション方法や日本語のネットショップでありながらカートの日本語を画像の英語で誘導するなど、独自性の強い弊社のあらゆる手法を模倣しております。さらに、弊社の模倣をしておきながら、自分がオリジナルであるかのような過剰な主張が記載されており、異常な業者であると認識されております。弊社の誤った英文までコピーされておりますので、偶然ではなく確実にコピーであると断定することができます。またスパイラルカットに関する商品説明など、誤った記載をして販売されておりますのでご注意ください。以下の「スパイラルカット廃盤に関する経緯」についても、弊社固有のコンテンツになりますので、盗用は固く禁止いたします。
スパイラルカット廃番の経緯
2013年10月、「ハイドロCD メンズ スパイラルカット」について、お客様より少し気になる商品レビューを頂きました。
いつもお世話様です。何度も利用させていただいており、アシックス製品を多く頂いてきました。
今回も、これまでと同様のSSサイズを注文いたしましたが、メーカーの規格が変更されているのか、
これまでのSSサイズよりずいぶん大きいです。穿き慣らしたSサイズよりゆるい感じです。
常に2000m以上泳ぎますが、ターンの際に股間内部がずれてしまい、非常に着心地悪いです。
実際に、過去の同じ品番、サイズと重ねて比較しても明らかに大きく、こういったお知らせがあったのか、メーカーからの説明があったのか、とても気になっております。
もう製造されない製品ということもあり、非常に残念です。
返品・交換のクレームを頂いたわけではないので、こちらから連絡する必要があったわけではありませんが、少し気になりましたので、レビューをご投稿頂いたお客様にはこちらからご連絡させて頂きました。
そのお客様から早速返信を頂きましたが、「1つの商品だけではなく、複数の商品が同様に一律にサイズ設定が大きくなっているので、たぶん不良品ではない」とのこと。
このころ納品された商品は、メンズの競泳水着なのにレディース用の大きな箱に入っていたり、今までは箱に直接商品が入っていたのに袋に入れた状態で商品が箱に入れられるようになったり、箱のシールが若干変わってカラー番号が印字されうようになったり、いくつかの不自然な変化を認識していたので、この時「これは何かあるな・・」と1件のレビューにも敏感に反応することができたのだと思います。
旧ハイドロCDにはカラー番号の印字がない(画像下)
※ちなみに、今まで頂いたレビューは数千件に及びますが、トムスポーツ店舗運営責任者の私が1つ1つ熟読して承認しております。些細なことでもお気付きの点は、ご遠慮なくご意見・ご要望下さい。可能な範囲ではございますが、最大限に対応させて頂きます。
追い打ちをかけるように、後日、違うお客様からも同じようなお問い合わせを電話で頂きました。
「やはりこれは、確実に何かがおかしい」と思い、弊社の現物を確認してみることに・・・。
お客様と何度も連絡を取って状況確認をし、弊社に在庫している商品を1つ1つ検証してみると、「一部の商品の欠陥や単純な生産ミス」というわけではないというのが見えてきました。どうやら、最近入荷した商品のすべてが一律にサイズが大きくなっているという状況のよう。しかもウエストサイズは変わらず、シルエットが全体的に大きくなっているという謎の現象。
具体的ににいうと、本来、脇幅が約3.2cmだった商品が約3.5cmに、股上も2〜3mm深くなっていました。
脇幅の3mmの違いというと一般の方はわずかな誤差の範囲と考える方もいらっしゃると思いますが、メンズビキニタイプの水着の脇幅は非常に繊細で、1ミリ違えば気付くお客様がいらっしゃるほど繊細なカットが重要になる水着形状になります。
「スパイラルカットは、約3.2cm」アシックスの他のカットとして存在している「マイティカットは、約3.5cm」「ホールドカットは、約4.0cm」
脇幅の3mmの差が別商品となり得るというのは、アシックス自身が証明しているということになります。
3.5cmはちょうどマイティカットの脇幅だったため、お客様からは「これはスパイラルカットではなくマイティカットではないか」という声も寄せられました。
スパイラルカットはトップスイマー向け上級モデルで、マイティカットは中級向けモデルだったため、わずかな違いでも機能が劣った別の商品ととらえるユーザーが大多数でした。当店はこれを致命的な欠陥と捉え、すぐにアシックス販売に報告いたしました。
しかしならが、アシックスはスイム専門ではなく総合スポーツメーカーのため、担当者が1つ1つの商品の細かい仕様について全て把握しいるわけもなく、ましてやアシックスの中ではマイナーな競泳水着というジャンル・・・さらにスパッツが主流となった現在で、少数派のビキニタイプの水着のカットのミリ単位の実寸については、全くもって把握しておりませんでした。
メーカー担当者の最初の反応は、「わずか数ミリの誤差で、過剰なクレームを言われても困ってしまう」というような感じでした。もちろん競泳水着のビキニタイプに非常にマニアックな知識を持った人間でなければ、ごく自然な反応と思いますので、ここでメーカー担当者を責めるのも酷な話です。まずは3mmの差が、不良品と言えるほどの大きな差であることを説得しなくてはなりません。異なるカットの同サイズをマネキンに重ねて着せて撮影し、どの部分に程度の誤差があるのかを1つ1つ写真に収めて説明しました。さらにこれが誤差ではなく、正確に異なる実寸で生産されることを証明する必要があったため、複数の個体でいくつも撮影し、同様の誤差が一律にあることの証明を行いました。それととともに、弊社に在庫されている1通りの全品番と全サイズをメーカーに一旦返却し、実物をメーカー自身の手で検証・調査して頂くことになりました。
以下がその時にマネキンに重ねて撮影し、アシックスに送った画像になります → クリックで画像拡大(高解像度)
イエロー:AMA87T (非スパイラルカット) ブルー:旧AMA85T (スパイラルカット)
スパイラルカットが現行商品として販売されていたのは、鈴木大地が金メダルを取った直後の1990年代にまで遡ります。そのため誰がどのような意図で設計し生産された商品なのか、当のメーカーですら簡単にわかることではなかったのです。
私はメーカーが企画し生産した製品について、何故第三者の私がメーカーに一生懸命に説明し説得しなくてはならないのか矛盾を感じながら、メーカーに何度も連絡を取って少しずつ状況を理解してもらうように懸命に努力しました。この段階で、担当者一人が判断する問題ではなくなっており、エリアを統括しているマネージャーともコンタクトをとり、同時進行で事態の解決を試みました。すでに当店に納品されてしまった商品を問題があるとわかったまま販売し続けることもできず、なんとかメーカーを説得しビキニタイプの競泳水着のカットについて理解して頂くことができました。
そして、一体なぜこのようは不思議な状況が起こったのか引き続き調査して頂くことになりました。私はてっきりスパイラルカットとマイティカットを誤って生産してしまったと思っておりましたが、メーカーの回答はそれとは異なっていました。
問題の発覚から、弊社の検証とメーカーによる原因究明の調査を含め、結果がわかるまでに約1ヶ月の期間を要しました。
以下、メーカーより回答を頂きました。
アシックスの生産工場が宮崎から四国の別工場に変わり、まったく同じパターン(型紙)で生産の指示を出していながらも、同じ寸法の製品は仕上がって来ないという状況になります。
寸法を間違って生産したのではなく、あくまで工場が変更になったことによる仕上がり寸法の誤差とのこと。
確かに、寸法の違いとしてはわずか数ミリで、メーカーの規定によると誤差の範囲内に収まっているようです。
しかしながら、実際には、今までスパイラルカットだった製品がマイティカットくらいの大きさで仕上がってきてしまっているので、当店もお客様から何件かクレームを頂きました。
当店としては、「わずかな違いではあるが、別のカットと言えるほどの寸法が違いがあるのは、商品として問題があるのでは? 今後も改善の余地はないのか?」
ということを、ここ数か月に及び、メーカーと粘り強く交渉してまいりました。実際にご意見を頂いたお客様には、ご回答が遅くなってしまい申し訳ございません。当初思っていたよりも、事実確認と原因究明が難しく、簡単には解決に至らなかったという経緯がございます。
パターン(型紙)が同じでも、作る人間や工場が違えば当然誤差が生まれます。特に水着は伸縮性がある素材で、誤差が生まれやすいものです。今までのスパイラルカットも再度検品したところ、指定のパターンよりはやや小さく作られているそうです。
それに加えて、新しい工場では、指定のパターンよりもやや大きく作られているので、新旧の誤差がさらに広がったとのことでした。
とはいえ、実際に何年も小さいスパイラルカットが生産され、販売されて来たわけであって、実際のパターンより仕上がりが小さかったといまさら言われてもユーザーは納得しないでしょう。
本来は、同じパターンの製品なので、「AMA85T/AMA86Tをスパイラルカット」として今後も販売していくつもりでしたが、今回お客様や小売店から実際にクレームを頂き、混乱を招くということで、AMA85T/AMA86T は廃番とすることになりました。
今後は、品番がAMA87T/AMA88Tに変更になり、実際にはマイティカットと同様の寸法が大きいカットのハイドロCDが正規の商品として生産されることになりました。
カット名についての記載はなく、マイティカットと同程度の「名もなきカット」というのが現状となります。
弊社に納品された大量の競泳水着は、すべてメーカーに返品され、もったいないですが処分されることになりました。メーカーもこのまま商品を販売することができませんので、アシックスのホームページの商品説明からはスパイラルカットの文字が消え、品番はAMA85TからAMA87Tに変更されることになったのです。これがスパイラルカット廃番の経緯になります。
メーカーのクレーム対策としては、スパイラルカットをなくしてしまえばそれで問題は解決しますが、ユーザーはスパイラルカットが欲しいわけであって、これでは本質的な問題の解決にはなっておりません。
当然、弊社はメーカーに強く要望を出しましたが、アシックスは大きな会社のため、なかなか商品の仕様を変更するということは難しいようでした。当店ではスパイラルカットがどれほど重要な商品であるかをお客様から集め、多数のご意見ご要望を頂きました。
それをアシックス担当者と統括マネージャーに提出し、それぞれに電話でなんとか生産する方法はないのか説得を試みましたが、結局スパイラルカットの復活は実現せず、せっかくたくさんのご意見を頂きましたが、お客様には「復活実現不可能」のお知らせと共に、最後ということで特別に旧工場で生産して頂いた正真正銘スパイラルカットの最終販売を行いました。
スパイラルカットはこの最終販売をもって正式に生産終了し、弊社もお客様も「諦める」という決断をいたしました。
それから半年くらい経過したでしょうか、2014年4月ころ、長年お付き合いして頂いたメーカーの担当者が異動することとなり、新しい担当者を連れてご挨拶に来て頂きました。
ダメもとではあったのですが、人が変われば異なる結果を生むこともあるかもしれないと思い、新しい担当の方にも皆様から頂いた50件以上のご意見を印刷し、手渡しました。そして同じ要望を強くお伝えしました。その方ももちろんスパイラルカットについては全く知識もなく、ですが理解して頂くようにゼロから順序立てて説明し、状況を正確に理解して頂くことはできたと思います。
もともと何度も断られた内容ですし、ダメもとで提案したものなので実現するとは思っておりませんでしたが、後日、新担当の方からお電話を頂きました。
スパイラルカットの復活は無理という状況は変わりませんが、ご提案頂いたのが、弊社別注でスパイラルカットを生産して頂くということです。
ここまで実に10か月の歳月が流れています。本当に本当に大変でした。
弊社は競泳水着全メーカーの別注生産を実現しており、よくお客様に誤解されるのでこの場を借りてご説明させて頂きますが、普通はメーカーに別注をオファーすると、ほとんどのケースが門前払いです。
メーカーが一部上場企業だった場合、年商数億円規模でなおかつ10年以上の長い付き合いがある販売店のみが提案できる非常に特殊なものです。
他のスポーツ用品で考えて頂ければわかると思いますが、誰もが知っている有名ショップや百貨店のようなところが企画としてスポットで発注するのが一般的な別注というものになります。さらに、普通は別注といっても色違い・生地違いを特注する程度であり、ゼロからオリジナル商品を作ってもらうなどというのはかなり稀なケースになります。(スパイラルカットは、ここでいうゼロから作ったケースには当てはまりません)
今回のトムスポーツ別注スパイラルカットは、弊社の努力と、当店のお客様の声と、メーカー担当者の機転と、長い時間の経緯があってようやく実現した貴重な商品になります。
当店の別注スパイラルカットではなく、「通常のAMA87T/AMA88T」を「別注 スパイラルカット」と虚偽の記載をして販売するケースがご報告されておりますので、十分にご注意下さい。